幸せの香りをあなたに

火打ち袋の香袋

包むということ

 “包む”という行為は、いったいどこから始まったのでしょう。
 もともとは食べ物を、植物の大葉で包んだり水を竹筒につめるなどの“分ける”“運ぶ”という利便性から生まれたかもしれません。
 熊笹や月桃の葉・木材を薄く切った経木など、自然の素材にはすぐれた防腐効果があり、包むだけで“保存する”力を発揮したことでしょう。

 また、心を相手に伝えるための大切な品には、より丁寧に包むという行為がおこなわれるようになりますが、現代にまで残る和紙の「折り形」や水引・組緒をもちいた「飾り結び」もそのひとつでしょう。
 人々は、さまざまな理由をもって“包む”という智恵をふくらませていくのでした。
年始鏡餅用“大豆粉包み”

茶道具の仕覆(しふく)

 茶道の「仕覆」とは、茶道具を保存保護するための布袋をさし、袋物の中でも特に格の高い存在といえます。
 江戸中期になると、茶の湯は隆盛を極めました。
 鎌倉期より盛んに輸入された舶来の裂は、大切な茶道のお道具を保護するための袋として姿を変えていきます。
 金箔糸を緯(よこ)糸に織り込んだ輝きのある織物の金襴や銀襴・インド発祥の染め文様布地の更紗など、茶の湯に熱中する大名や豪商は、その財力を持って裂の収集に熱中するのでした。
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