幸せの香りをあなたに

椿に魅せられた人々

京都府立植物園~600本の多彩な椿と黄色い椿

 洛北にあるこの植物園では、“天ケ下”“京唐子”“黒侘助”“三笠の森”など250種、600本の椿が植樹されています。
 また、春には(平成19年は3月24と25日)「つばき展・京の銘椿と茶花」が開催されますので、時間を短縮して京椿の名花をご覧になりたい方は出かけられると良いでしょう。
 京都の寺に残る有名な椿が、切花の状態で展示されます。
 中には、拝観を許可してなかったり制限されているお寺の幻の椿も紹介されていますので、椿好きの人には大変魅力的ですね。
 また、温室には中国からベトナムにかけての山林で3~40年ほど前に発見され話題となった黄色い椿“金花茶(きんかちゃ)”が咲いていますので、ぜひご覧下さい。うつむくように咲くこの椿は、寒さに弱いため温室で管理されています。

「京都府立植物園 つばき展」
「五色散り椿」

 そのほかに地蔵院には、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰り献上したという椿があります。
 この椿は、一本の木に紅・白・桃・紅白など5種の花が咲き、花全体がポトリと落ちる椿の散り方でなくパラパラ花びらが散るため“五色散り椿”と名づけられました。
 現在の木は2代目で樹齢100年と伝えられますが、返してほしいという韓国の依頼により平成4年に3本の孫木が海を渡っていきました。

「東大寺 二月堂」と「二月堂よりながめた奈良の夕景」

 最後に、脈々と人の手で作られ続けている紅白の椿の花をご紹介しましょう。
 奈良の春を告げる行事のひとつに、「東大寺二月堂・お水取り」があります。
 毎年3月1~14日、二月堂下の若狭井(わかさい)から香水を汲み上げ本尊の十一面観音に供える厳粛な行事ですが、闇夜の中、松明をかかげた僧侶が火の粉を降らしながら回廊を駆け巡る様が有名ですね。
 「お水取り」では、仏に捧げられる様々な供物の中に2メートルもの高さに作られた和紙の椿があります。
 紅白の5弁の花びらに黄色く染めた花芯を糊付けした椿の花は、その数400にもおよびますが、この椿をつくる「花こしらえ」には、俗世界を絶ち身を清めた僧侶によって作業が進められます。
 この法会を節目にして豊かに輝く春が訪れ、二月堂の下には濃い紅の色に糊をこぼしたような白い斑のはいった美しい椿“良弁椿”が開花することでしょう・・・。

「二月堂を走り抜けるお松明」
「椿の花こしらえ」と「内陣に供えられた椿」

参考資料
「安達瞳子の世界の名花/椿物語展」図録
「お水取り」 奈良国立博物館

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