香りと室礼作品

鼻煙壺の塗香入れ

鼻煙壺の塗香入れ

 お香屋さんにいくと紫檀や黒檀などで作られた伝統的な円形の塗香(ずこう)入れを見かけることでしょう。塗香とは、手や身体に香をすり込んで穢れをはらい清めるためのパウダー状のお香のことを指します。

 香の使用が始まったとされる酷暑の国インドでは、油に白檀のペーストや香る材をいれた香油をつくり頭痛や発熱のおりに額や身体に塗って熱苦を取り去り清涼感を得る風習がありました。なかでも白檀は非常に高い殺菌力をもち、皮膚を浄化して毒を消す力が秘められているといわれ塗香の主原料になっています。

 私は常々、好みの塗香入れを探してきましたが、今回硝子の鼻煙壺(びえんこ)に出会ったことで皆さんと一緒に塗香の調合をと思い立ちました。塗香は神仏や自分の心と向き合うときに使うもの、故にくだけすぎずまた長く愛用できるものを求めていたのです。

 インドで誕生した仏教が日本へとたどり着く道筋となった国・中国の美しい鼻煙壺を器とし、それぞれの感性をいかしたご自分だけの塗香を調合してみましょう。

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