『香り花房・かおりはなふさ』では、日本の香りと室礼文化を研究しています。

香り花房 ー『香りと室礼』文化研究所 ー
香りの情景

香辛料の香り

ラクダの隊商

砂漠のラクダ:とっても愛嬌のある顔をしています。 頑丈で足取りの確かなラクダは「砂漠の舟」といわれ、人間にとり必要不可欠な存在でした。
 ラクダは、一度に280キロもの荷物を運ぶことができるうえ、背中のコブには100キロ近い脂肪をたくわえて体力を維持でき、過酷な砂漠という環境に適応した貴重な生き物です。
 しかしながら、私もサハラ砂漠でその背にまたがったことがありますが、乗り心地は決して良いとはいえず、シッカリしがみついていないと今にも振り落とされそうなうえ、気に入らないことがあると人間の言うことなど聞かずに歯をむき出しツバをはいて抵抗します。
 はじめは少々手荒にみえたラクダ使いの人々でしたが、この動物の気性を知るにつれ、駆け引きともいえるその関係に感心させられました。
 こうしてラクダを引き連れた隊商は、はぐれないように列を組んでもくもくと砂漠の道なき道を進んで行ったのです。

 シルクロードの主要な目的は、膨大な利益を求めた交易でした。
 マルコポーロのように命知らずの商人によって、その冒険は始まったのでしょう。
 特に中国の特産品であった絹は、軽くしなやかで非常に美しく、はじめて触れたローマの人々を魅了してしまいます。
 貴重な染料やガラスと同じほどに高価ながら、次々にお金がつぎ込まれ、そのあまりの浪費に禁止令がでるほどでした。
 当時の交易品を並べてみると、宝石・金属類・ローマンガラス・ペルシャ絨毯・イラン銀器・胡椒や肉桂などの香辛料・薬草・中国の鏡などがあげられます。
 そうした文物を見てみると判るように、シルクロードの歴史は単に商品の流通だけでなく、3大陸の各民族が築き上げた文化・宗教・美術の交流であったといえるでしょう。

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