『香り花房・かおりはなふさ』では、日本の香りと室礼文化を研究しています。

香り花房 ー『香りと室礼』文化研究所 ー
恋しい匂い

桜の香り花びら

桜の香り花びら

 ヒラヒラと風に吹かれて舞い落ちる桜は、じつに美しいものですね。
 祇王寺の苔むした庭一面に降りつもった桜の花びらは、どんなにか彼女らの心を慰めたことでしょう。
 清らかに咲き、散っていった女性たちを思い、ほんのりと桜色に染め上げた香り花びらを捧げましょう。

 白い粘土に桜の香りを練りこんで、赤を少し加えると優しい桜色なるでしょう。また、グレーをたしてオシャレな淡墨桜もつくりましょうか?
 可憐に舞い降りた花びらを集め、塗り盆に飾ったり、和紙に包んでプレゼントしたり、お手紙に忍ばせても素敵ですね。
 金彩のハマグリに盛ったのは、お塩に香りをつけたモイストポプリです。
 甘くて可愛らしい、砂糖菓子の金平糖をそえて飾りましょう。
 桜のオイルが手の入らない方は、“桜の塩漬け”を用いると良いでしょう。
 めでたい日の桜茶につかわれる“桜の塩漬け”は、「関山(かんざん)」という品種の桜花で、欧米にもたくさん植えられましたが、華やかな濃い紅色で大輪八重のお花を咲かせます。
 お湯を注ぐとユックリと開き始め、薄桃色の花びらが優雅にユラユラ揺れる様がとても美しいですね。

 桜の樹の下に立つと包まれる、桜独特の香り“クマリン”の、なんとも優しい暖かな香りを楽しみましょう・・・。
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