『香り花房・かおりはなふさ』では、日本の香りと室礼文化を研究しています。

香り花房 ー『香りと室礼』文化研究所 ー
恋しい匂い

菊の薬玉飾り

菊の薬玉飾り

 現代では、仏前の花というイメージの強い菊の花ですが、秋の日の野菊の 香る様子は、じつに穏やかで、心地よい風の吹く季節に良く似合います。

 今回、制作しました「菊の薬玉」は、赤・白・茶の愛らしい3色の小菊 を丁寧に円くかたどり、格調高い花結びと房飾りで飾りました。
 中には、菊のオイルをしみこませた香木を詰めましたが、菊の花や葉を乾 かして用いても良いでしょう。

 菊の香りには、様々な効能が秘められているのです。
 「雨月物語」に描かれた、仁義を尽くす人間の交流は、菊の清涼な香りと ともに繰り広げられました。
 孤独を抱えた二人の思いは、この花の霊力をもって究極のかたちへと流れ ていったのかもしれません・・・。
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