あなたの記憶の扉を開いてみると、
幼い日から積み重ねてきた
多くの香りの印象が刻み込まれていることでしょう。
人間がいてそして自然がある
という西洋の考え方に対し、
自然とともに人は存在する
という東洋的思想の中で暮らしてきた私たちにとって、
自然とともに歩むことは当たり前のことであり
また、大きな喜びでもありました。
四季の移り変わりとともに食卓を彩る旬の素材、
順番を待つかのように咲き競う花々、
遠く連なる山並みを眺めれば、
芽吹きから若葉そして成長し枯れ落ちるまでの樹々の営みに
人の一生を重ね合わせることもあったことでしょう。
季節を大切に過ごす日本の人々に継承されてきた風習には、
自然からはなたれる芳香があふれているのです。
四季折々の日本の香りを
お教室で制作してきた様々な作品をまじえながら
ご一緒に思い浮かべてみることにしましょう。