
2023年10月
今回は、仏教界での装飾「荘厳具」を
身近な暮らしのなかでの室礼として飾ることを目的に制作に挑んでみました。
~荘厳具の室礼~
荘厳具(しょうごんぐ)とは、
仏教の世界において荘厳のために制作された品々のことをさします。
古代インドの宝玉を連ねた首飾りから転じ菩薩像などに用いられる装身具
また、寺院や仏壇などに用いられる荘厳具をさす【瓔珞(ようらく)】
天上界の天帝の宮殿に懸けられているという網【羅網(らもう)】
宝珠を連ねたその飾り網は、
金・銀・瑠璃(青い宝石ラピスラズリ)・水晶など四つの宝「四宝」で美しく彩られているといわれます。
また【天蓋(てんがい)】とは、天に懸(か)けられた蓋(がい)の意見で、
仏像や導師などの上にかざされていた物が進化したもの。
古来からインドでは強い日射しを避けるため、
貴人の外出時にはつねに傘蓋(さんがい)で覆う習慣がありました。
これがやがて仏教の荘厳具として用いられるようになったと思われます。
世界最古の木造建築とされる法隆寺(奈良県斑鳩)金堂の天井につるされている「木造天蓋」は箱形で三つあり、
二つは金堂が再建された7世紀後半(飛鳥時代)に、
もう一つは12世紀末ごろ(鎌倉時代)につくられたもので、
仏堂美術を代表する極めて重要な荘厳具のひとつです。
この様に、善美を尽くしたその装飾は、人々に天上界にあるという浄土を想起させるものなのです。