2020年1月4日 付け日本経済新聞全国紙 短評より
『日本の香りと室礼」 宮沢敏子著
日本への仏教の伝来は香料の伝来でもあった、と著者は説く。
供える、くゆらす、清める、身にまとう。
香りの持つ様々な側面を、五節句をだお票とする室礼文化とともに紹介する。
さらに王朝人の感性を、江戸時代に制作された和歌と大和絵の画帖から読み解く。
工芸品からアロマストーンで作った「見立て干菓子」まで、豊富な写真も趣深い。
「自然からはなたれる芳香」を時空を超えて堪能できる一冊だ。
(八坂書房・1800円)