2015年 7月11日
月桃(サンニン)
ベランダで種から育てた月桃。
2年後には可愛らしいお花をつけました。
50種余りあるといわれる
沖縄の香料植物の代表ともいえるのが
月桃でしょう。
ショウガ科の常緑多年草で、
5月から7月にかけて房状にたれさがる
白いお花を咲かせます。
私は、以前いただいた種を
ベランダに植えたことがあります。
ソバの実のような小さな種は、
やがて芽をだしグングンと力強く成長していきました。
東京の冬の寒さもなんのその
背丈ほどの高さになった月桃は、
初夏になんとも美しい純白の花を咲かせたのです。
その姿が
桃の実に似ているところから
月桃という名前が付けらたという由来にあるように、
蘭のように連なった花々は
ほんのりと愛らしいピンクをのぞかせ
微笑むのでした。
石垣島から届いた太陽のエネルギーあふれる月桃の葉と種
月桃の茎を利用した“月桃紙”や
お餅を葉でつつんで蒸し上げた菓子”ムーチー“
などは大変有名ですが、
沖縄のいたるところに自生する月桃は、
防腐や抗菌効果など薬効が高く
暑さ厳しい南国に住む人々の生活に
なくてはならないハーブとして活用されてきた歴史があります。
月桃のユーカリやハッカのような爽やかな芳香は、
ヒノキなどとともに日本の代表的な和精油のひとつですが、
100kの葉から30ccしか精油を採取できないため
薔薇やネロリと同様に
高価なエッセンシャルオイルといえます。
ムーチー(鬼餅)・・・餅粉をこねて黒糖などで味付けをし、
月桃の葉でくるんで蒸す沖縄の代表的なお菓子。
神饌としたり健康長寿の縁起物として食します。
月桃ポリフェノール・・・月桃に含まれるポリフェノールは、
赤ワインの34倍もあり近年注目されています。
ポリフェノールには
動脈硬化や心筋梗塞をふせぐ抗酸化作用があり、
老化防止・ガンの抑制にも効果があるでしょう。
また月桃には、
脂肪の分解を促すリノール酸や
コラーゲン分解酵素を抑制する成分も含むため、
日焼けやシミ・美白効果など
皮膚のトラブルを解消する
スキンケアの分野にも利用されています。
今回は、南国の太陽あふれる
石垣島の農園から無農薬の月桃
を取り寄せました。
その利用法は様々にありますが、
沖縄の人々が暮らしのなかで生み出してきた
手軽にできる方法をご紹介しましょう。
月桃の葉を2センチほどにカット
1リットルほどのお水で10分ほど煮立てた月桃茶
毎朝つくって健康茶として愛飲しています。
一部はお風呂上がりの美肌水として
また残ったときは虫よけとしてベランダにまくなどして
一日で使い切っています。
~健康自然食“ムーチー”を作ってみよう~
黒糖ムーチー もち粉 200g 砂糖 50g 塩 少々
黒糖(粉末)60g 水 約130cc
材料をすべて合わせ良く練って耳たぶぐらいの柔らかさにします。
月桃の葉を洗い水気をふいておきましょう。
お餅を載せるところにサラダ油を塗り
丸めて小判型にした餅を包んで紐で結び、
蒸し器(弱火から中火)で30分ほど蒸しあげ完成です。
最後に、石垣島の月桃を手にして思ったことをお伝えしたいと思います。
今回私が取り寄せたのは「アキママ月桃農園」
という横浜から移住され農園を営んでいるご夫妻のものでした。
宅配便で届いた月桃の葉の
柔らかい香りはなんて心地良いのでしょう。
お茶にしても肌につけても
じつに抵抗感なくスーと身体へなじんでいきます。
傷んだ身体を癒す植物は、
生まれた地域にあるといわれますが、
まさにその説とはこうゆうことだったのかと
実感するのでした。
お子さんのアトピーに悩まれた横浜在住の若いご夫妻が
沖縄の豊かな自然に感動し移住されて営む
石垣島の月桃園。
そこで丹念にそして正直に作られた
無農薬月桃の蒸留水や石鹸は
様々な肌のトラブルに悩める人々を救っているのです。
どうぞ皆様、本物の月桃の素晴らしさを
ぜひ体感してみてください・・・