今年も年の瀬をむかえました。
皆さまにおかれましては、
お忙しくお過ごしのことと思います。
暖冬のせいでしょうか
街角の椿も早、蕾をひらいて咲き競い
何となく年末という気分も薄れ
大掃除という気持ちになれなくて
困っていますが、それでも昨日はクリスマス。
今年は38年ぶりに満月と重なり、
美しい聖夜となりました。
私は友人ご夫妻と、山中湖の旅へと向かいます。
澄んだ夜空に煌々と光を放つ満月が浮かび
湖の水面のさざ波を月光が写しだす、
それは美しい夜でした。
また、早朝に紅富士が見られると伺い
眠い目をこすりながら6時に起き出したわたしは、
カーテンの向うに広がる静寂の世界に心を奪われます。
椅子を窓辺に引きずり出しガウンをまとって
ずっと眺めておりました。
青い夜空に浮かぶ満月に
雪を抱いた富士は
言いようのないほどに神秘的で美しく
シーンとした静けさに包まれています。
やがて少しずつ空に光が流れ込み
月が太陽に席を譲って朝が訪れる・・・
という有名な一節を目の当たりに
光を弱めながら彼方へと去っていく月に代わり
東から差し込む朝日が
富士の雪肌を紅色に染めてゆきます。
赤富士とは、夏の朝に富士の山肌が赤褐色に染まること。
紅富士とは、真冬の雪をかぶった富士の山肌が紅に染まること。
その違いを初めて知りました。
富士五湖の中で一番富士山に近いといわれる
山中湖でながめた雄大な富士の景色は、
これからの暮らし方や
仕事に対する姿勢を
静かに諭すかのように感じられました・・・。