雪月花
ブログメニュー

その21 「りんごの香りの瓶詰め」

2014年 4月7日

 

イギリスを旅すると片手で軽く握れるサイズの小さなりんご

クラブアップル” を目にすることでしょう。

街の果物屋さんやバスの休憩所の売店などに

きれいに並べられた 真っ赤な小さなりんご。

 

人々はお水替わりにちょうど良いサイズのこのりんごを

シャリッシャリッとかんでは喉の渇きを潤します。

私もロンドンからオックスフォード、ノーフォークへと北上する旅の途上、

揺られるバスの中で甘酸っぱいこのリンゴをかじり、

その爽やかな香りに浸りながら異国を旅している実感に浸ったものです。

 

 

20140401_150449

 

そんなりんごの季節も

春の到来とともに終わりへと近づいてきました。

今日は食べきれずに残ったりんごでアップルジェルをつくりましょう。

 

透き通った べっ甲色のジェリー とても綺麗ですね

これはザクザクと、種もすべて丸ごとカットしたりんごをゆっくり3時間ほど火にかけ

一晩かけてガーゼで越してトロリと煮たもの。

りんごのペクチンの働きでゼラチンをいれなくても自然に固まります。

ヨーグルトにかけたり、紅茶に入れたり

リンゴの香りと上品な甘さを閉じ込めたジェリーは

美しいきらめきに生まれ変わりました。

ぜひぜひ、お試し下さい。

 

20140407_153646

このジェルは、大好きな ”ターシャ・テューダー” さんのDVDにも

登場するレシピです。

何か事が行き詰まり、思うように進まない時

私は良くターシャのビデオを流します。

すると、不思議なことに心の曇が少しずつ少しずつ薄まり

ふたたび原点へともどれるように感じるのです。

彼女の心に響くいくつかの言葉をご紹介しましょう。

「・・・時間をかけるということは

それだけたくさんの愛情をそそぐということ・・・・」

「・・・一番のコツは、

近道を探そうとしないこと・・・」

「・・・自分の理想を貫くには

忍耐強く生きること・・・」

56歳でアメリカ・バーモントの田舎の山奥に

18世紀風の家を建てて一人暮らしを始め

見事なナチュラルガーデンをつくりあげたその生き方は、

わたしに多くのことを学ばせてくれるのです。

 

 

 

2014年04月07日 up date

その20 「高輪茶会」

2014年3月23日

 

東京に桜開花の知らせが届きました。

今日は、知人のお弟子さんの 茶名披露 のお茶会です。

 

20140323_150622

品川のグランドプリンス新高輪の

広大な日本庭園の中にある茶寮「恵庵」。

静かな佇まいの山門を抜けると、観音堂へと道は続きます。

 

  20140323_150618

朱塗りの美しいこのお堂は、

奈良県生駒の長弓寺にあった三重塔から移築されたもの。

思いがけず御開帳されており、

ふっくらと丸いお顔の十一面観音様にお会いできました。

春の爽やかな風が堂内に吹き込まれ

観音様も気持ちよさそう。

20140323_124826

20140323_141125

 

数寄屋造りの広間で、高知県のゆず酒と

季節いっぱいの懐石をいただきます。

  20140323_130038

濃茶席の床には、

祝いの日にふさわしい『万々歳』のお軸が掛けられ

広い板床には 「瓢(ひさご)型の香合」

そして、真の花器「下蕪(しもかぶら)型の青磁壺」に生けられていたのは

姿の良い牡丹のお花。

20140323_124728

島根県の大根島から取り寄せたというこの見事なボタンは、

ギュッとしまった固い蕾から

紫がかった濃き紅色 をソッとのぞかせておりました。

 

柔らかい若緑の萼に包まれたお花を眺め

振袖でお点前なさるお弟子さんの初々しい姿に触れるうち

花開く前の夢や希望にあふれていた若き日々が思い出されます。

 

けっして平坦ではなく ”生きるって大変” と感じていた20代。

今でも悩みがないわけではありませんが

歳を重ねていくうちに学んだことは、

出来事にはすべて何らかの意味があるという事でしょうか。

 

そしてその苦しみは、

自分が成長する上で必要なことだったと思えるようになれたなら

それはステップを一段クリアできたという証かもしれません。

 

小石をひとつずつ積み重ねるように

学びを繰り返していくのが人生というものなのでしょう。

 

20140323_141755

お薄のお席には、

宝尽くし」の絵柄の四方盆に「春霞」と「」のお干菓子が。

何もかもおめでたく、

柔らかい春の陽差しのようなお茶会となりました。

最後に、いつもご一緒して頂く友人とつくばいの前でパチリ。

企業の社員カウンセラーと茶道教授という

多彩なお仕事をなさっている彼女は

いつも落ち着きある物腰で

なぜか合うだけでホッとできる大切な存在です。

20140323_124808

 

2014年03月29日 up date

その18 「八角のホットワイン」

2014年2月11日

 

ソ連のソチで開催している冬季オリンピックが白熱していますね。

その昔、恥ずかしさも何のその

スキーのリフトで降りてきたという逸話をもつ運動音痴のわたしとしては、

どの競技を見ても人間業とは思えず

只々目が丸くなるばかり

人に秘められている能力とは素晴らしいものですね。

 

20140211_181207

そんな最中、東京は週末 2度もの大雪にみまわれました。

灰色の上空からフワフワと湧き出るように降ってくる雪を見つめ

人影のないシーンとした街をながめていると

知らない場所へと迷い込んだかのような不思議な感覚にとらわれます。

こんな寒い夜には

ホットワインで温まりましょう

赤ワインシナモンステックと八角を

星の形をした八角(スターアニス)は

抗インフルエンザ薬 ”タミフル” の原料として有名です。

             フェンネルにも似た独特の甘みと強い苦味・辛味を持ったこの香辛料

北京ダックや杏仁豆腐のあの風味は八角によって生み出されているのですね。

また薬効も高く

 喉の炎症を抑え、消化促進作用・強壮・抗がん作用も期待できるといわれています。

友人ご夫妻との会食でいただいたこのホットワインのおかげで

厳しい寒さにこわばった身体も

ゆっくりゆっくりほぐされていくのでした

お風邪をひきそうなんて思うときにも良いでしょう。

ぜひお試し下さい♥

 

 

 

 

 

 

 

2014年02月19日 up date

その16 「結ばれる幸せ」

2014年1月30日

 

友人の結婚式に参列してきました。

20140130_115339

彼女とは、高校時代に知り合い本当に長いお付き合いをさせて頂いています。

いつの間にか私たちも50代となり

人生の中盤を過ぎたといえるでしょう。

女性の人生は、学生時代を終えてからそれぞれの道へと大きく変化していきます。

嬉しい出来事もたくさん、大変な思いもたくさん、

誰もが一様に乗り越えていかなければなりません。

心が弱った時、そっと相手を気遣い寄り添ってくれる

そんな友人の存在はありがたいものですね。

美しい彼女の花嫁姿を見て

走馬灯のようにいろいろなことを思い出しました。

20140118_153731

いつもまっすぐに一生懸命生きてきた彼女のために

ウエディングブーケをつくります。

いままでたくさんの方々にブーケをプレゼントしてきましたが、

エレガントだけではない

人生を乗り越えてきた強い女性にふさわしいように

モダンな色の古代薔薇をくみあわせ

成熟した大人のデザインに仕上げます。

年を重ねてからの結婚

とても素敵ですね。

♥♥♥ 心からおめでとう ♥♥♥

 

2014年02月10日 up date
↑このページの一番上へ